古来、当山の鎮守の神様である眼力稲荷大明神は、
学問に霊験あらたかなりと伝えられ、特に復活、復興、先見の明、
「心眼、こころの眼」を授けてくださると云われております。
眼力とは、我々は激動の世に生きていますが、素直な心を持った
すべての人々に最善の方向を指し示す力であります。
人生の選択をせまられたとき、学業や仕事上などでどちらの方向に進めば
良いか迷ったとき、復活を眼力稲荷に心からお祈りすれば
先見の明、心眼、智慧が良き方向を指し示されましょう。
《作法二礼二拍手一礼》
ペット供養よりご縁を頂いた方より奉納のお話を頂き、
令和元年、泰聖寺最初の寺業として、
新しい鳥居の建立および祠の塗り直しをおこないました。
泰聖寺境内には、ほのかな甘味を帯びた良質の水、
『金龍大神水』が涌き出ていました。
茶の湯として賞味され、
奥庭には茶室がしつらえてあったと云います。
泰聖寺は眼病平癒で知られる京都西山柳谷観音の分霊所で、
金龍水に触れると御利益があると信仰がありました。
また、明治天皇が行幸された時、
御用水として献上されたほどの名水でありました。
昔、上町台地には生駒山からの伏流水が地下を通り、
良質な井戸水に恵まれた地です。
大坂の町がたびたび飲料水不足に悩まされた時代も
豊富な水が人々を救いました。
しかしながら、
戦後地下鉄谷町線開通の影響により
天王寺七名水の殆どは枯れてしまい、
金龍水も一時は枯れてしまいましたが
私が8年前に入山した際に毎日手入れをして井戸洗いをしたら
湧き水が復活しました。
万が一の災害時、水の確保は非常に重要な課題です。
災害時に飲用水を一人あたり1日3リットル
給水出来る体制を整えておかなければなりませんが、
それだけでは飲用以外の
清掃、トイレ、風呂等のための生活用水が不足すると考えられ、
地域の衛生状態の悪化に繋がる恐れも出てきます。
『金龍大神水』は、本来門外不出で
御本尊観音様に御供えする為の神聖な水ですが、
万が一の災害時には被災者の為、
仏教の利他精神に基づき、
みんなに優しい安心のお寺である
泰聖寺が『金龍大神水』を提供します。
ただ、沢山の人々を救う為には大規模な整備が必要なので、
私自身、僧侶としての急務だと危機管理を認識しています。